特別イベント
2023.11.29

謎を作れ!2話 ゴールデンウィーク編~後編~

 ※目隠しポスターまで1話と同じ文章が続きます。既にお読みの方は読み飛ばしてください。

 こちらは、ゴールデンウィークに行った謎解きイベント「未来くんからの挑戦状」と10月~12月に行っている謎解きイベント「科学の国の未来くん」の担当者による小話的な記事となっています。
このページには特に謎は隠されていませんので、謎解きがしたい方は開催中の「科学の国の未来くん」または、科学館以外の謎解きイベントにご参加ください。

※現在開催中の「科学の国の未来くん」の答えのネタバレは行いません。ただ、モチーフなどの話はしますので、「完全に情報がない状態でイベントに参加したい」場合は読まないようにお願いいたします。

目隠し用ポスター

 それでは、後編スタートです。

 ゴールデンウィークの謎解きイベント「未来くんからの挑戦状」の位置づけは「科学館が年末で大規模改修工事のため長期休館に入る」ということを知ってもらうことでした。
 そのため、ポスターにも右上に大規模改修に関するマークが入っていたり、未来くんからの手紙でも休館のことに触れています。
 アンケートでも「休館のことを知っていますか」という項目を作ったところ約75%の人が『知らない』と回答していました。

 余談ですが、現在プラネタリウム一般向け番組「星空のシミュレーター~未来へつづくプラネタリウム百年物語~」でもプラネタリウムと展示場が今年で改修工事のため休館になることを紹介しており、投影を見たお客様から「プラネタリウムが休館になるっていうのはフィクションですか?」と質問を受けることがあります。フィクションではありません。ぜひ今のうちにプラネタリウムや展示場をお楽しみください。
 広報の難しさを感じる今日この頃です。

 話がそれました。イベントの話に戻りましょう。
ゴールデンウィークでは宝箱としてこちらの箱を使用しました。

 こちらはキーボックス(SONIC製 KS-7121)を流用しています。こちらのキーボックス。当初はこのキーボックスを横にして、宝箱のように扉を縦に開ける想定でした。

 謎を解いて、パスワードを見つけ出し、宝箱を開ける。
そんなワクワク体験をしてもらおうと思って購入したのですが…
扉が想像以上に重い!?
※製品の性質上、扉が頑丈であることは正しく、良い性能です。

 遊びの世界を管理する職員に相談して、子どもたちの行動を予想してもらいました。
宝箱として使った場合、間違いなく指を挟む子がいるから使用できないという話になりました。
 諦めずに展示場を管理し、修理や作成をする職員に相談して解決策がないか相談します。扉にスポンジをかませて強く閉まらないようにするなど、試行錯誤しました。

 その結果、宝箱のような見た目で縦開けでの使用は不可能と判断。お蔵入りとなりました。
キーボックス本来の横開きで使用することとなり、デザインをどうするかが問題となりました。最終的に「子どもは大人が触っているものに憧れる。デザインがシンプルな明らかに「触っちゃいけなそうなもの」に触れるという方がテンション上がると思う」という意見を採用してなるべくシンプルな想定のまま使用することになりました。

 この意見は的を射たもので、シンプルな箱はアンケートでもとても好評でした。「スパイ活動みたいで面白かった」というコメントもいただけています。スパイもののアニメが流行ったのも追い風だったようです。皆様も黄昏のような体験を味わえたでしょうか。

 今回は問題に入れた小ネタ(?)の紹介です。
「むずかしいコース」の最後の問題です。挑戦状を指示のとおりに折って封筒を作る問題でした。指示は模様を作って、ですが、①~④の枠の色がそれぞれ違うことに気が付きましたか?

 ①赤 ②青 ③緑 ④黒 となっています。それでは、挑戦状を見てみましょう。

 すこし分かりにくいですが、挑戦状の折り線にも実は色がついています。問題の枠と同じ色の線を折ると、作るべき模様ができるようになっています。
 当初この問題は文章で書かれていました。
「①2本の赤い線を折って、月と太陽を同時に作れ」
こういう文章が4行書かれていたのです。それを見た職員から「文字が多すぎる」とアドバイスをもらい、問題のようにイラストを使ったものに変わりました。こちらの方が見やすく分りやすいものになったと思います。

 また、裏面の問題の配置にも実はひと工夫がされています。
表面にもある通り、裏の❶~❽はどの順番からでも解いて良い問題です。これらの問題は通常時に展示場で行っているチャレンジクイズの過去問題も使っています。

 さて、実はこの問題は直前まで❶と❽が逆の位置になっていました。今の❽の問題が❶だったのです。なんで入れ替えたかというと導線の問題です。

 順番のとおりに解かなくていいよ、と言われても大体の人は❶から解こうとします。❽で向かう1階 宇宙の科学は展示場に入ったお客様が最初に向かいやすいエリアです。
 職員向けのお試しプレイ中に気が付いた職員から「最初に問題を解く人も重なると大混雑してしまうので、問題の配置を変えた方が良い」とアドバイスをいただき、現在の配置になりました。
 皆様はどの順番で問題を解いたでしょうか?

 ゴールデンウィークは当館でも来館されるお客様が多い期間です。おかげさまで当イベントも4日間で1,000名近くの方にご参加いただきました。参加して下さった方々の反応やアンケートのおかげで今行っている「科学の国の未来くん」を開催することができました。

 科学の国の未来くんも残すところ2日間となりました。12月10日(日)/12月16日(土)の2日間です。
Xの方でもご参加いただいた方からリポストしていただきました。ありがとうございました。
ぜひ、まだ参加していないという方は12月に挑戦してみてください。
また、他のイベントも行っております。謎解き以外でも、科学館を楽しんでくださいね! 
それでは、また次の記事で。 さようなら。
→第3話はこちら